校内研究

1 研究主題・・・「主体的に学びをつなぐ子どもの育成」 

~自ら考え、表現し、探究する授業を通して~

2 主題設定の理由

 本校の学校教育目標は「未来を生きぬくたくましい鍾秀っ子の育成」である。めざす子ども像には「自ら学ぶ子ども」が掲げられ、学校教育目標の達成に向けて、日々の授業を通して学びに向かう力を育み、確かな学力をつけることが必要である。本校の研究は、昨年度まで学校教育目標を研究主題として研究を進めてきた。これからの社会の変化に柔軟に対応し、自ら課題を見付け、自ら考え、表現、判断し、行動できるたくましさを備えた子どもの育成に向けて、「課題を自分事として捉え、学びに向かう力を育むこと」に着目して授業研究を行ってきた。その成果として、課題設定や振り返りの視点の工夫によって、自ら学びに向かい、自己の変容や成長を自覚して、新たな学習につなげようとする子どもが増えてきた。一方で、さらなる一手を進めるために「子どもが課題を自分事として捉える姿」に対するより具体的なイメージを持つことや、1授業で完結させず、他教科や授業外活動など多角的な学びを関連させて単元を構成すること、課題設定に限らず、自ら探究する場面を設定する必要があること等が、新たな課題として残った。今年度は、これまでの研究を土台にして、さらに「未来を生きぬくたくましさ」を育成するために研究主題を新たに設定することとした。主体的に学びに向かい、そこで得た学びを新たな学びにつないでいく探究心の醸成を目標に、「主体的に学びをつなぐ子どもの育成」を研究主題とし、「自ら考え、表現し、探究する授業」をつくるための授業改善を視点として、指導過程や単元構想を工夫しながら、授業研究を進めることとした。

 〇主体的とは

受け身ではなく、自らの意思で考え、表現しようとすること。学ぶことに興味や関心を持ち、自ら課題を捉え、見通しをもってねばり強く取り組む態度。

〇学びをつなぐとは

授業だけで完結させず、学んだことを授業内外の多方面に活用していくこと。よりよく生きるために学びを活かすこと。『つなぐ』には広い意味があり、1授業時間内に限らず、生活の様々な場面で子どもの学びのつなぎが確認できる。

・意欲をつなぐ…課題意識を持ち続けたり、新たな課題を見付けたりする。

・思考をつなぐ…課題解決意欲を絶やさずに思考し続ける。

・考え(言葉)をつなぐ…自分の考えと友達の考えを関連付けて考える。

・次の学習とつなぐ…本時の学びを活かして問題作りや、次時の予習に取り組む

・他教科につなぐ…他教科の学習における問題解決場面で、効果的に取り入れる。

・生活とつなぐ…日常場面に取り入れて考えたり、実践したりする。

・自主学習につなぐ…学びを活かした家庭学習をする。

 〇サブテーマにかかわって

『考える』…出された問題の答えがどうなるのか見当をつける。解き方がどうなるのか考える。わかっていることとわからないことを整理する。問題場面・場面の様子を想像する等を表す。

『表現する』…答えを求める方法を自分の言葉で書く・話す。本時のまとめをする。振り返る 等

『探究する』…学んだことをもとにさらに調べる。類似問題に徹底的に取り組む。新たな視点で課題を見付け解決に向かう。

3 研究の視点

<視点1> 子どもが自分事として捉えるための課題や発問の工夫

〇日常場面に基づく課題設定を行い、解決場面のイメージを持ちやすくする。

〇目指すゴールを明確に示し、課題解決や技能習得までの見通しを持たせる。

〇本物に触れる場を設けたり、ゲストティーチャーを活用したりするなどして、本気度を高める。

〇各種行事と関連させて、必要感を抱かせる。(学習発表会や宿泊体験学習、修学旅行など)

〇「あなたならどうする?」「自分と比べてどう?」などの問い返しで自分と結びつける。

<視点2> 子どもが学びをつなげるための終末の工夫(指導過程や単元構想の工夫)

〇単元全体をつなぐ言語活動の導入の工夫

・毎時終末にスイミーになりきって日記を書き、全時間分集めたスイミー日記をつくる。

・教材文の読み取りでつけた力を自分の本の読みに生かす。

(すがたをかえる大豆→食べ物の本、三年峠→昔話・民話 等)

〇次時につながる新たな課題設定の工夫

・計算の学習のまとめで、立式の理解を確かめることを兼ねて問題づくりに挑戦する。(次時の導入や家庭学習でも活用)

・社会や理科では、学習の最後に新たな疑問を考え、次の課題につなげる。

・今日学んだ単位や計算方法を使った自主学習に取り組む。